ダンス用語 (ISTD)

この記事は、スタンダード種目(ワルツ、タンゴ、フォックストロット、クイックステップ)のための「ボールルームダンステクニック」の読み方についての説明です。ボールルームダンステクニック(第5版、平成11年8月1日発行)を参考にしました。

なおダンス用語についてはJBDFが以下の書籍を出版していますので購入することをお勧めします。

    書籍名 ボールルームダンス用語集 
          第1章 技術用語(スタンダード・ラテン共通)
          第2章 動作その他
          第3章 フィガー等の名前・由来
    編集  JBDF資格審議委員会
    問合せ JBDF TEL 03(5652)7351





ボールルームダンステクニックで使われる略語

Right Foot ライトフット 右足
Left Foot レフトフット 左足
LOD Line of Dance ライン・オブ・ダンス 部屋の壁にそって反時計回りに踊りを進行させていくこと。
PP Promenade Position プロムナード・ポジション 男子の右側と女子の左側がコンタクトし、体の反対側がV字形に開かれた位置。
CBMP Contrary Body Movement Position コントラリー・ボディ・ムーブメント
・ポジション
ボディラインを保って(体を回転させないで)、支え足の延長線上またはアクロスして(前方または後方に)置かれた足の位置。
CBM Contrary Body Movement コントラリー・ボディ・ムーブメント ボディ・アクションの一つである。前方または後方に動いている足の方向に、身体の反対側が回転すること。通常、回転を起こす時。
Ball of Foot ボール・オブ・フット 足のボール
Heel ヒール かかと
Toe トー つま先
IE Inside Edge インサイド・エッジ 足の内側の縁。右足であれば左側の縁。左足であれば右側の縁。
WF Whole Foot ホール・フット 足の裏全体
NFR No Foot Rise ノー・フット・ライズ ノーフットライズは主として後方にステップする時の内側回転で起こり、支え脚のヒールは、次のステップが行われるまでフロアーにコンタクトしている。ライズはボディ及び脚のみで行われる。
OP Outside Partner アウトサイド・パートナー パートナーの右外側への前進ステップ。

tama注: ここで言うパートナーとは、日本でしばしば誤解されているように、男子に対する女子だけを指すのではなく、女子に対する男子をも指すことに注意。
Slow スロー 通常、音楽の2拍の長さ
Quick クイック 通常、音楽の1拍の長さ
Associate アソシエート スチューデント・ティーチャーより一つ上のクラス。
Licentiate ライセンシエート アソシエートより一つ上のクラス。
Fellow フェロー ライセンシエートより一つ上のクラス。


足の位置

これは両方の足の相対的位置である。「足の位置」に関係する用語は以下のとおりである。

  1. CBMP
    ボディラインを保って(体を回転させないで)、支え足の延長線上またはアクロスして(前方または後方に)置かれた足の位置。

  2. PP
    男子の右側と女子の左側がコンタクトし、体の反対側がV字形に開かれた位置。

  3. OP
    パートナーの右外側への前進ステップ。
     tama注: ここで言うパートナーとは、日本でしばしば誤解されているように、男子に対する女子だけを指すのではなく、女子に対する男子をも指すことに注意

  4. サイド・リーディング
    前進または後退の時、動く足と同じ側のボディを前進または後退させること。
     tama注: 以前はショルダー・リードと表現していたが、肩だけを前進または後退させるという誤解を招かないよう、用語が変更された。



アライメント

部屋に関連した足の位置(方向)である。足とボディが同一線上にあるときは「面して」または「背面して」、およびボディに対し足が違った方向にあるときは「向けて」を使用すること。


回転量

回転量は両足の間で測る。


ライズ・アンド・フォール

足、脚、ボディを使って行われる上下運動である。


NFR(ノー・フット・ライズ)

ノーフットライズは主として後方にステップする時の内側回転で起こり、支え脚のヒールは、次のステップが行われるまでフロアーにコンタクトしている。ライズはボディ及び脚のみで行われる。


フットワーク

フットワークとはフロアーにコンタクトする足の部分を意味するが、ワルツ、フォックストロット、及びクイックステップでは「トー」および「ヒール」の用語が使用されることに注目すること。「トー」という用語には足の「ボール」を含む意味がある。前進の場合、足全体を使うことは言うまでもないが「ヒール」と定められている。「ヒール」そして「フラット」という必要はない。覚えるべき必要なルールは片方の足が横からもう一方にクローズする時、トーがフロアーにコンタクトしてクローズする事である。


CBM(コントラリー・ボディ・ムーブメント)

ボディ・アクションの一つである。前方または後方に動いている足の方向に、身体の反対側が回転すること。通常、回転を起こす時。


スウェー

スウェーは通常、ムービングフットから体が離れ、回転の内側の方向に傾くことをいう。
例: ワルツのナチュラル・ターンの第2歩。
   スウェーはムービングフットの方向もある。例:ホバー・フェザーの第1歩。
   ブロークン・スウェーはウェストから上部で、チェックド・ティプル・シャッセ・ツー・Rなどのフィギュアに使われる。


ポイズ

  • 男子
    頭は直立させまっすぐな姿勢で立つ。ボディはウェストで引き締め、体重は足のボールの方向へ前方に保ち、肩はリラックスさせ、膝はほんのわずかに曲げて保つこと。

  • 女子
    まっすぐな姿勢で立ち、ボディはウェストで引き締め、体の上部と頭はわずか後方で少し左側に、膝をほんのわずか曲げ、体重を足のボールに置く。

tama注:
ポイズ(バランスという言葉に近い)という言葉をポスチャー(姿勢)と勘違いをされている方は、ぜひ<Technique Lessons by Baricchi>をクリックして、のPart1及びPart2をお読みください。日本語で要約をつけてあります。私は目からうろこが落ちました。

なおpoiseの英語の意味はこちら<poise>をクリックしてください。


ホールド

  • 男子
    女子を僅かに右へ、向かい合って立つ。両腕を肩より低く保って横に広げる。右肘を曲げ、右手を女子の左肩甲骨の下に置く。左肘を曲げ、女子の右手を取り、右っ縦はおよそ目の位置に保つ。左前腕はわずかに前方に傾け、肘空手までまっすぐなラインを保つ。

  • 女子
    左手を男子の右腕の上、肩より少し下に置く。右腕を上げ、右手は男子の左手と結ぶ。



前進ウォーク

両足を揃え、真っすぐな姿勢で、体重は足のボールの方へ僅かに前方に保って立つ。
片方の足のボールをフロアーにコンタクトさせながら、脚をヒップから前方にスイングする。その時トーを僅かに上げ、ヒールはフロアーを軽く滑らせる。
ヒール(前方にスイングする足のヒール)が後ろのトー(支え足のトー)を通過すると同時に後ろ足のヒールはフロアーから離され、そして両足が大きく開かれたとき体重は前足のヒールと後ろ足のボールの間に等しく置き、前の膝はまっすぐに後ろの膝はわずかに曲げられる。そして体重が前方に移動すると同時に、前のトーはロアーされる(降ろされる)。後ろ足は先ずトーで、次にボールでフロアーを滑らせながら両足が揃うまで寄せられ、更に次のステップへと前進を続ける。

(平成17年7月20日第11版発行では以下のように、もう少しわかりやすく和訳されている。)
ダンス掲示板(http://yujicities.bbs.fc2.com/)の管理人様 情報をありがとうございました。

前進ウォーク

両足を揃え、真っすぐな姿勢で、体重は足のボールの方わずか前方に保って立ちます。
前進する時は、最初ステップする足の脚をヒップから前方にスイングし、ボールでフロアーをコンタクトしながら動作は始まり、次にヒールで軽くフロアーを滑らせ、トーは徐々に上げられます。
ステップする足のヒールが体重を支えている足のトーを通過するやいなや、支え足のヒールはフロアーから離され、そして両足が大きく開かれた時、前足の膝は真っすぐに、後ろ足の膝はわずかにゆるめられ、体重は前足のヒールと後ろ足のボールのちょうど中間に保たれます。
そして体重が前方へ移動すると同時に前足のトーは下ろされ、後ろ足は最初はトー、次にボールでフロアーを滑らせながら両足が揃うまで動かされ、そして次の前進歩へと続けられます。


後退ウォーク

両足を揃え、真っすぐな姿勢で、体重は足のボールの前方に保って立つ。
まず一方の足のボール、対でトーでフロアーを滑らせながら足を後方に移動させ、そして再びボールをロアーする(ボールを降ろす)。後退する足が前足(支え足)のヒールを通過すると同時に支え足のトーはフロアーから離され、そして両足が大きく開かれたとき体重は後ろ足のボールと前足のヒールの間に等しくおき、後ろ足の膝はわずかに曲げ、前の膝はまっすぐに保たれる。
前足は最初ヒール、次いで足のボールでフロアーを滑らせながら両足が揃うまで寄せられ、同時に後ろ足のヒールはロアーをする(降ろされる)。
特に協調しておきたいポイントは、後ろ足のヒールを非常にゆっくりとコントロールしながらロアーさせることである。


ヒール・ターン

回転はステップした足のボールで始まり、次いでヒールで継続される。クローズする足は平行に保ち、回転が終了したとき、体重はクローズした足に移る。


ヒール・プル

ヒール・ターンの一種である。支え足のヒールで右回転を行い、ムービング・フットは支え足の横に(僅かに離して)引き寄せられる。その時まずはじめにヒール、足のインサイド・エッジそしてフラット。


タンゴ

タンゴに関する解説は、当教本のタンゴの部の最初を参照のこと。


特注

「ナチュラル」および「リバース」ターンについて。
すべてのナチュラルターンは右に、すべてのリバースターンは左に回転することである。




-------------------------------

タンゴ



タンゴのポジションとホールド

初めのポジションを理解するために両足を揃え壁に面して立ち、次いで両足をフラットに保ちながら左へ1/8回転し、同時に右足を5 ~ 8cm後ろにスリップさせると右足のトーが左足の甲に位置するようになる。ホールドはムービング・ダンスに似ているが、もう少しコンパクトである。
1)男子は女子を自分のわずか右側にホードする。しかしこのポジションを強調しないように注意しなければならない。
2)男子の右手は女子の背中を少し深く横切って置かれ、指先は女子の背骨をわずかに越え、前腕のラインはやや下の方に傾斜する。
  女子の左手は男子の右脇の下に置さ、右手は男子の左手と結ぶ。

タンゴ・ウォーク

他のダンスに比校してタンゴウォークの違いは、
1)ライズ・アンド・フォールがない。
2)両膝はわずかに曲げて保つが、トーンは脚の筋肉でしつかり維持する。
3)タンゴ・ポジションにより、左足ウォークはCBMPでとられ、右足ウォークは右サイド・リードでとる。
同様に右足の後退ウォークはCBMPでとられ、左足の後退ウォークは左サイド・リードでとられる。ウォークは通常左にカーブする。
4)足は各ステップ毎にわずかに持ち上げて置かれる。
5)足はシャープな、すなわちスタッカートなアクションで動かされ、前進ウォークの後ろ足は音楽の許す限り遅らせる。後退ウォークも同様なアクションで踊る。
6)左足CBMPで前進し左方向へのカープをしようとする時、左ヒールを右足の線上に(アクロスではなく)置くことが重要である。右足CBMPで後退する時は、同様に右のトーは左足の線上に(アクロスでなく)置かれる。
7)男子が左サイド・リードで左足で後退した時は常に、次の右足を引き寄せ始める時のヒールはフロアーから離される。その他全ての後退ステップでは前足のトーがフロアーから離れる。女子は両足共、後退する時は前足のトーがフロアーから離れる。



特註

  • ダイレクションとアライメント
    全ての前進後退のステップは、2つの例外*を除き、ダイレクションであり、その他はアライメントである。プロムナードやフォーラウェー・ポジションの場合は両方が用いられる。

  • 先行と続行
    先行に「全てのクローズド・フィニッシュ」と記された中には、全てのクローズド・プロムナード又はクローズド・フィニッシュをする全てのリバース・ターン、バック・コルテ又はロック・ターンが含まれている。

  • その他、プロムナード系フィギュアの先行方法

1 A プログレッシプ・リンク
2 A 右足のウォーク(女子をPPに回転させ、左足体重をかけずに横に置く。カウント&)
3 A ナチュラル・ツイスト・ターン
4 A ナチュラル・プロムナード・ターン
5 A クローズド・フィニッシュから足をその場にとどめ、PPに女子を回転させ、カウント&
6 A オープン・フィニッシュから上記の2と同じ
7 L フォア・ステップ
8 L フォーラウェー・プロムナード
9 F フォーラウェー・フォア・ステップ
10 F オーバースウェー・エンディング1、2、3、5、6、7
11 F チェイス・エンディング1、3、4
12 F ファイブ・ステップ
13 F コントラ・チェック

 *女子ロック・ターンの第2歩
 *女子フォーラウェー・プロムナードの第3歩


					
  • 最終更新:2017-10-02 06:10:48

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード