Bluesの起源

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Bluesの起源

Bluesは、ダンスとしてはボールルームダンスの一種である。

日本で一般庶民に社交ダンスが広まったのは、第二次世界大戦後からであり、進駐軍向けにダンスホールが多数開かれた。また、若い男女の出会いの場としてダンスパーティーが流行し、ジルバやマンボなどのアメリカンスタイルダンスが流行した。ブルースも流行したが、日本の歌謡曲のジャンルの一つとしてのゆっくりしたブルースに合わせて踊られていたことや、チークスタイルでも踊られたことから、なんとなく敬遠されたのか、現在ではダンスパーティでブルースを踊れる曲がかかることもほとんどなくなってしまった。また、その起源についてはネットを調べてもほとんど情報が出てこない。

しかし、JBDF本部の蔵書を緒にして、その起源を調べてみた結果、Bluesは、1927年に当時のISTD会長だったCecil Taylor(以下セシル・テーラー)によって創られ披露されたYale Bluesが元になっていることが、出版物や楽譜などによって判明した。それらを以下の参考文献として紹介した。

1927年は、ISTDにより、第1回目のボールルームダンス世界競技会のチャンピオンでもあったビクター・シルベスターと5名の著名なダンサーからなる委員会を結成し、その委員会に英国スタイルのボールルームダンスの標準化を委託し、The theory and practice of Ballroom Danceが出版された年でもある。

また、その委員会のメンバーの一人だったEve Tynegate-Smith(以下イブ・ティンゲートースミス)著(1933年出版)によれば、Yale Bluesはその後も人気を博し踊られていたことがわかる。また、この著作のBluesのフィガーの説明を読むと、フィガーの名称は若干違うものの、我々日本人が知るブルースとよく似たフィガーとテンポだったことがわかる。またライズ&ロアーを使わずアップ&ダウンを伴ったリルティング(弾むようなムーブメント)であるところも似ている。

詳細には比較していないが、これらのフィガーは、英国でクラッシュダンス(ないしリズムダンス)に、米国ではアメリカン・スムースのフォックストロットに取り入れられている。

これらのことも考えると、ブルースは現在の5つのスタンダード種目には入っていないとは言え、正統的で由緒あるボールルームダンスである。
日本人ももっと自信を持ってブルースを踊る機会を増やしてもいいのではないだろうか。


 参考文献1

The Text Book of Modern Ballroom Dancing by Eve Tynegate-Smith
  (入手先:  JBDF本部蔵書)

著者  Eve Tynegate-Smith
出版年 1933年

著者のEve Tynegate-Smith(以下イブ・ティンゲートースミス)は、ISTDが、英国スタイルのボールルームダンスの標準化のために結成した委員会メンバー(ビクター・シルベスターおよび5人の著名なダンサー)のひとりである。


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CHAPTER VI. (Page 155 to 161)

Page 155-156 ブルースが作られた経緯 
Page 157   Amalgamations
Page 158   Side Chasse on Right Foot
Page 159   The Right (Natural) Turn
Page 160   The Reverse Turn
Page 161   Quarter Turns

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上記155ページから156ページまで以下に対訳


BLUES.
ブルース

GENERAL REMARKS
総説

Tempo 30/32. TIME 4/4
テンポ 1分間で30/32小節 4分の4拍子

This dance is included in this Text Book as for some ten years Blues music has been the slow music in 4/4 time, and although up to 1933 it has not been included in the syllabus of the ordinary ballroom examinations with the four standard dances, it is undoubtedly one of the main dances in the modern ballroom.
このダンスはこのテキストブックに含まれている。ブルースの音楽はおよそ10年間、4分の4拍子の遅い音楽であり、1933年までは4つのスタンダード種目の通常のボールルーム試験のシラバスには含まれていなかったとは言え、それは間違いなく現代の舞踏会での主なダンスの一つである。

Further, there is every sign that this slow music will remain popular and the dance will, if anything, increase in importance.
さらに、このゆっくりした音楽が人気を維持し、ダンスは重要性が増していくという兆しがある。

It was not till 1927 when Major Cecil Taylor, President of the Imperial Society, brought out the Yale Blues that any definite official recognition was given to the dance.
帝国協会プレジデントのセシル・テイラー氏が、Yale Blues(以下イェール・ブルース)を世に出して、このダンスに正式な認知が与えられたのはやっと1927年であった。

The feature of the Yale Blues that was responsible for much of its popularity with the dancing public was a sideways lifting step in which the man swings his Left foot forward off the floor and then back again to “Twinkle.”
ダンサー達の人気の大部分を担っていたイェール・ブルースの特徴は、男が左足を床から前方に振り、その後「Twinkle」に再び戻っていくサイドステップであった。

This movement, however, gradually died out, as did the other set steps of the Yale, and the dance once again became Blues but showing influences of the Yale, and of the other dances in 4/4 time, such as Charleston, Black Bottom, and the (then) Quick Fox-trot.
しかし、この動きは、イェール・ブルースの他のセット・ステップと同様に徐々になくなって行き、そのダンスは、イェール・ブルースやチャールストン、Black Bottom 、そしてクイック・フォックストロット(当時の)のような、他の4/4拍子のダンスの影響を示しつつ、再びBluesになっていった。

It can be said that with the exception of the Blues Walk,which is peculiarly its own, most Blues Steps are adaptions of steps from other dances.
ただし、ブルースウォークは例外的に独自のもので、ほとんどのブルースステップは他のダンスのステップを受け継いでいると言える。

Some influence to-day even coming from the Tango.
今日ではタンゴの影響をうけたものさえ存在している。

Absolutely correct tempo and rhythm is needed for Blues as, unless bands accent the music properly, the dancer will find that he cannot get the correct lilt of his walk and other steps.
ブルースのためには絶対に正しいテンポとリズムが必要であり、楽団が音楽に適切にアクセントをつけない限り、ダンサーは歩き方やその他のステップを正しく理解できない。

The position and hold for Blues is as that for the Quickstep, with the girl a shade more in front of the man.
ブルースのポジションとホールドは、クイックステップのためのものと同様に女子は男子と重なり合うように位置を取る。

The Blues Walk is a lilting down and up long gliding movement made by relaxing the knee of the supporting leg as the other leg goes forward and stretching up on to the Ball of Foot of that leg when it is forward and supporting.
ブルース・ウォークというのは、サポーティング・レッグの膝をリラックスさせることによる軽やかに上下に動く長い滑るような動きとともに、同時に、もう一方のレッグがそのレッグのボールに向かって伸びていく動きである。

It then, in turn, is relaxed for the next step when it has become the back leg.
それは、次に、それが後肢になったときの次のステップのために緩められる。

Counting one Slow—two beats to each step.
スローを1つ数えるということは、各ステップに2つのビートがあるということである。

This lilt must be definite and it is kept up for all steps.
このリルトはやめてはならず、それはすべてのステップのために保たれる。

This is important as this down and up movement takes the place of all "rises and drops" such as occur in other dances, and for this reason in the following tables Part IV (The Rises) of each step has been omitted.
これは重要なことであり、他のダンスで起きるような「ライズ&ドロップ」の代わりに行われるダウン・アンド・アップ・ムーブメントである。このため、次の各ステップのパートIV(上昇)のテーブルでは省略されている。

In quick steps the down and up movement of the lilt is the same, but as this lilt occupies two beats of the music it needs two quick steps to complete the lilt.
クイックステップでは、リルトの上下の動きは同じであるが、このリルトは2つのビートを占めるので、リルトを完成させるためには2つのクイック・ステップが必要である。

The tables that follow only include steps in which this lilt is kept up and cover the basic steps of Blues.
以下の表には、このリルトが守られ、ブルースの基本的なステップをカバーするステップだけが含まれている。

In other advanced variations where the lilt as such is dropped, the character of the dance is still kept.
それ以外の先進的なバリエーションでは、ダンスの性格はそのまま維持される。

Occasionally, dancers can introduce double time, and in most Blues tunes the music at some point quickens up to this time.
時々、ダンサーは2倍の時間を導入することができ、ほとんどのブルースの音楽では、ある時点での音楽は今までに急に早くなる。




N.B.

It will be noticed that Heel Pivots are not used in Blues as the music is too slow and chasses are danced to fillin the time.
The following basic amalgamations can be learnt in the order given and it will be found that each amalgamation can follow on the previous one. The steps in the tables should be studied in the order given in the amalgamations.

N.B. The cross chassé will be found described in the step "ordinary chassé on L. ft. and cross chasse on R. ft." (See Variation 1, page 199.)

N.B. As by this time the reader should be able to combine the "movement of the feet with the accents" and the "time" it will be noticed in the tables that Parts I and II of each step have been combined, except in the more difficult variations.
In Section III will be found a few standardised variations.



 参考文献2

Yale Blues Music Sheet

この楽譜は、参考文献1で引用された、Yale Bluesという曲の楽譜であり、これにはYale Bluesというダンスを作り出したISTD会長のセシル・テーラーが、いつ、どこでそのダンスを発表したか、また発表した時のフィガーについて、記載されている。

1927 Yale Blues.jpg 1927 Yale Blues_01.jpg 1927 Yale Blues_02.jpg 1927 Yale Blues_03.jpg 1927 Yale Blues_04.jpg

作詞者    Collie Knox   
作曲者    Vivian Ellis
ダンス作者  Cecil Taylor

ダンスが作られ発表された経過は以下のように説明されている。

A dance to Blues rhythm,invented by Cecil H. Taylor,
President of the Imperial Society of Teachers of Dancing, and
demonstrated in London on 24th July, 1927. The dance having
been selected for public performance,was again demonstrated
at the Park Lane Hotel, London, on Monday 25th July, 1927.
ブルースのリズムに合わせ、ISTD会長のセシル・テーラーによって創られ、1927年7月24日にロンドンで発表されたダンス。
公開発表のために選ばれたそのダンスは、1927年7月25日、ロンドンのパーク・レーン・ホテルで再び発表された。


なお、この曲の演奏は下記のところから聴くことができる。





References




  • 最終更新:2017-05-20 16:46:43

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