5拍子のワルツ(投稿記事)

ダンスファン2010年6月号投稿記事

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5拍子のワルツ

われわれ日本人の多くにとってなじみのある社交ダンスと言えば、現在のスタンダード5種目、ラテン5種目に、ブルース、ジルバくらいです。しかし、それらは日本の社交ダンスのこれまでの歴史の中で、時代的には明治以降、また米国、英国などの地域的に限られた情報だけが入ってきていることによるものだと思います。

調べてみると、実際は世界の社交ダンスはもっとさまざまなものがあることがわかります。21世紀の現代を例にとると、米国では、スタンダード種目に対応するアメリカンスムース種目、ラテン種目に対応するアメリカンリズム種目があり、いずれも、ベーシックステップやバリエーションステップが米国ダンス協会ルールブックに定められ、アマチュアやプロの競技会も定期的に催されています。

またYou Tubeで探してみるとジルバに似たスイングダンス系のリンディホップウェストコーストスイングなども盛んなようです。

米国議会図書館のダンスに関する文献のデータベースの中の文献を例にとると、1862年にボストンで出版されたAmerican Dancing Master and Ball-Room Prompterというダンスの教本があり、約500種類のダンスについて書かれています。

同書からワルツを取り上げてみたいと思います。誰しもワルツとは3拍子で踊るものだという先入観があるかと思いますが、そうでないワルツも存在します。同書114ページにThe Five Step Waltz(5拍子のワルツ)というダンスが記載されています。

このデータベースの中のビデオリストでは、文献に基づいた当時のダンスの再現動画をダウンロードすることが出来ます。この5拍子のワルツは61番目です。この5拍子のワルツは十九世紀中ごろのダンスのようですが、興味深いのは、現在でも5拍子のワルツが踊られていることです。拍子はクラシックジャズの名曲テイクファイブと同じ123+12のパターンです。主にフランス語圏で踊られているようで、You Tubeで「5拍子のワルツ」を各国語で入力して検索すると出てきます。私が検索した結果では、フランス、ベルギーオランダポルトガルなどの国の人がアップロードしていました。

それだけではなく8拍子のワルツ、さらには11拍子のワルツもあります。これらの共通点は、123を一回、二回ないし三回繰り返し、最後が12で終わるパターンをとっていることです。ダンスそのものはいずれも単純なものですが、みな普段着姿で踊っています。

もしこれらのワルツに興味のある方はインターネットの「DDD勝手にダンス事典」というサイトを見ればYou Tubeへのリンクがわかりやすくまとまっています。

5拍子のワルツとまではいきませんが、日本でももっと様々な社交ダンスを楽しむ機会が増えればいいのにと思います。たとえばリンディホップウェストコーストスイングなどのダンスがもっと流行すれば、社交ダンス人口の若返りに貢献するのではないでしょうか。



スウィングダンスおよびリンディホップ情報

関東エリア     http://www.iswingtokyo.com/





  • 最終更新:2010-12-30 23:38:54

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