日本人はウサギ小屋に住んでいる?

先日「体験英語の楽しみ 多賀敏行著 丸善ライブラリー」という本を読む機会がありました。そのなかで興味を引く内容がありました。その中から抜粋します。



かつてECの報告書が「日本人はウサギ小屋のような住居に住んでいる」という趣旨の事を書いている事が判明し、それが日本で大きく報道され、物議をかもした事があった。

その報告書の原文はフランス語で書かれていたが、それを時事通信社が英語に直し、それが更に日本語に訳されたらしいのですが、著者はそれら三つを比較しています。問題となった「ウサギ小屋」というのはフランス語、英語でそれぞれ次のように言います。

フランス語cage a lapins (cageが小屋、lapinsがウサギ)
英語rabbit hutches (cageがhutchesでlapinsがrabbit)

ところが著者がフランスの「広辞苑」ともいうべき「Le PetitLarousse」でLapinsを調べたところ、Lapinsを使った熟語や慣用句が説明されていて上のcage alapinsは「画一的な狭いアパルトマンの多くから成る建物」と言う意味だそうです。具体的にはフランスの政府系の住宅公団が中・低所得者用に建てているH. L. M.と呼ばれる住宅(日本の社宅や、公務員住宅あるいは団地に似ている)がcage a lapinsの代表選手だそうです。

著者はいろいろ検討した結果、以下のように結論つけています。

要するにこの報告書を起案したフランス人と思われるECの担当官は、フランス語で「日本人はフランスで俗に「ウサギ小屋」と呼ばれているのと同じタイプの狭くて画一的な都市型集合住宅に住んでいる」という趣旨のことを言いたかったに過ぎないのだが、英語に訳されたとき機械的にrabbithutchesと訳されてしまったために「日本人はウサギ小屋に住んでいる」と極めてどぎつい表現として受け止められてしまった。



これが正しいかどうかはともかく外国とのコミュニケーションの難しさを物語るものといえるでしょう。

  • 最終更新:2009-06-17 17:54:51

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