前進するときのフットワークはヒールからか?

「前進するときのフットワークはヒールで着地」と言うのは、間違いとは言えないけれど、初心者が大きな勘違いを犯しやすい、問題のある教え方だと思います。

その言い方を実行しようとして、前進する時に、つま先をフロアから離して最初からヒールでフロアに着地するやり方をしている方がいます。

そのやり方では、足首を使えないため、柔らかくコントロールされたスムースな着地ができません。

それだけでなく、ヒールだけで最初に着地すると、接触面積が狭いため、滑りやすく、大きくダイナミックな動きがやりにくいです。

特に女性はハイヒールを履いているので、危険です。

そういった色々な問題を解決するためには、前進の時、ムービングフットの足首を伸ばして、ボールからフロアに触れ、滑らせて行きます。

そして中間バランスまで脚を開いて行けば、自然にボールがフロアから離れて、ヒールが着地し、安定した状態で、ムービングフットに乗って行き、今までサポーティングフットだった足を引き寄せて行くことができます。


参考1

私がもっているボールルームテクニック第5版の前進ウォークの中間バランスのところまでのフットワークのところには、以下のように説明されています。

引用はじめ----------------------------------

両足を揃え、真っすぐな姿勢で、体重は足のボールのほうへ僅かに前方に保って立つ。

片方の足のボールをフロアーにコンタクトさせながら、脚をヒップから前方にスイングする。そのときトーをわずかに上げ、ヒールはフロアーを軽くすべらせる。

ヒール(前方にスイングする足のヒール)が後ろのトー(支え足のトー)を通過すると同時に、後ろ足のヒールはフロアから離され、そして両足が大きく開かれた時体重は前足のヒールと後ろ足のボールの間に等しく置き、前の膝はまっすぐに、後ろの膝はわずかに曲げられる。

引用おわり----------------------------------


参考2

私は、ボールルームテクニックの著者のアレックス・ムーアへの献辞をボールルーム・テクニックに書いた、ビル・アービンMBEの教えをまとめた、「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」という本を持っています。

その中では、彼は、前進のフットワークのルールを以下のように指導していたということが描かれています。

「ムービング・フットはできる限り長くフラットでフロアに接し続けていること」


参考3


また、実際の世界チャンピオンのダンスでも、最も足が開かれる直前でも、トーがフロアから離れているのは、距離的にも時間的にもほんのわずかです。

たとえば、以下のフォックストロットを御覧いただければご理解いただけると思います。



  • 最終更新:2016-10-12 19:11:05

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