ヴェニーズワルツの発音

ダンスではヴェニーズワルツと言いますが音楽はウインナーワルツと言ってるのはなぜでしょうか。

ウィーンはオーストリアの首都でWienとつづります。
このつづりをそのままにして英語で発音するとウィーンになります。

しかしオーストリアはドイツ語圏なのでWienの発音はヴィーンという感じになるはずです(Wはドイツ語では英語のVと似た発音をします)。
それを英語圏の人が聞いて英語で表記したときVienna(ヴィェーナという感じの発音になります)とつづったのでしょう。このViennaは名詞ですが、それの形容詞はJapanとJapaneseの関係と同じでViennese(vìːəníːz ヴィーアニーズという感じの発音)となります。

つまりつづりから入るとウィーンになるし発音から入るとヴ(ィ)ーアニーズということだろうと思います。
ただし、これをヴェニーズと書いたのは以前の話で、今はヴィーニーズワルツと統一されているようですが。

ちなみにウィンナーソーセージは英語ではVienna sausageと言います。


余談 アルファベットの成り立ち


ところでアルファベットってギリシャ語のアルファ・ベータから来ているのは知ってますよね。

手元にあるThe American Heritage Dictionary of the English Languageから

V, W, U

V、W、Uについて面白い話をひとつ。

もともとドイツ語やフランス語、英語などで使っているアルファベットにはWとかUという文字はなくてVの発音、Wの発音、Uの発音をひとつの文字Vであらわしていました。ところがやっぱり不便だったんでしょうね。UをあらわすVを二つ並べてWという文字を作り、その他にVを丸くしてUの文字を作ったということです。16世紀ごろにはこれで統一されたらしいのですが、もともとウィとヴィは大きな差はなかったということです。
さて面白いのはここからです。

Wをダブリューと発音すると中学校で教えられたと思いますが、実はこれは正確にはDouble Uと発音します。つまり二つのUです。
フランス語では「w」Double V ドゥブルベ 二つのヴイだそうです。
   (7の灯さん ありがとう)

Y

ついでに、Yという字もVの下にIをつけてできた文字です。

フランス語では 「Y」ワイのことを 「I GREC」 イ グレック といいます。ギリシャのアイ という意味です。
   (7の灯さん ありがとう)

※ グレコローマンスタイルっていうのがありますが、これもGRECO-ROMAIN(E) グレコロマン =ギリシャ・ローマのという意味だそうです。
   (7の灯さん ありがとう)


y、i、v、w、uの文字と発音は、ギリシャ語、ラテン語、今の英語との間の歴史的な変遷があってなかなかややこしいんです。

発音についてですが、手元の辞書をあれこれ解釈すると、古い英語ではYという文字は別なvとかiという発音を表すために使われていたようです。
そのためワイという発音を表すためにはwiとスペルアウトしていたようです。このwiというのは古いラテン語ではuiでこれを大文字で書くとVIだからこれを組み合わせて現在のYにしたという意味のことがかいてありました。

初期のラテン語でギリシャのアテネ地方の「i=い」と似た発音を書くためにギリシャ語のイプシロン(イプシロンの大文字は英語のYとそっくり)を借りてきたみたいです。そのためその文字を y graeca (ギリシャ語のy)と呼ぶこともあったそうです。
そのうちにラテン語がくずれてきて「i」と似た発音と「i」の区別がつかなくなり、Yの文字はiを表すことになったみたいですね。そこで

>「Y」ワイのことを フランス語で「I GREC」 い グレック といいます
 
B

Bはフェニキア文字では家という意味のbethのbの音を表していて数字の9を二つ並べたようなかたちですね。それがギリシャ文字のベータになった。

C

Cは、もともとの発音はgのほうで、フェニキア文字ではらくだ(camel)という意味のgamlのgですね。
でも形は足跡でなく、数字の7と良く似た形ですね。ギリシャ語ではガンマです。

D

Dはドアという意味のdalethのdの音を表していて、三角が二つ、それがギリシャ文字のデルタです。

E

Eは象形文字からではなくてhという発音を表す文字

J

Jは私の記憶ではもともとIが持っていた二つの発音を書き言葉で区別するためにIから作られたものだったはずですが、すぐに文献が見つかりませんね。

  • 最終更新:2012-09-10 21:39:17

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