ルンバとチャチャの音楽との合わせ方
ルンバとチャチャ、特にルンバ(正確にはキューバン・ルンバ)を踊る際に、音楽のカウント1234に対して、男子が正しくは2で左足を踏み出すべきところを、1で踏み出してしまう間違いが非常に多く見られます。この間違いは初心者だけではなく、かなり経験を積んだダンサーにおいてもしばしば見ることが出来ます。
1で踏み出すのは、日本では1970年台に流行ったスクエア・ルンバの踊り方です。
中には、2で左足を踏み出すということがうまく出来ないために、そのことを単なる約束事だとみなして、1で左足を踏み出すことを正当化する向きもないではありません。
カウント2で左足を踏み出すべきキューバン・ルンバの踊り方をマスターできていない男子が、そのような踊り方を正当化しかつ女子に強要するのは、不遜以外のなにものでもないと思います。
スクエア・ルンバでは、足の踏み出しで音楽の1拍目のアクセントを表現するのに対し、キューバン・ルンバでは4拍目に右足トーをポイントし、つぎの1拍目で横へのヒップアクションを行なうことにより右足のヒールに体重を移動しニーバックすることで、アクセントを表現します。(男子の場合。女子の場合は左右逆)ここを理解して練習する必要があります。
カウント1で踏み出してしまう間違いは昔からあったようです。1924年に、委員会を結成して現代のボールルームダンスの基礎を固めたのは、英国のヴィクター・シルベスターとその委員会のメンバーですが、そのシルベスターが書き表し、その後2005年に改定された以下の書籍に、きちんと音楽に合わせる方法が書かれていましたので。抜き書きしてご紹介します。
出典:Modern Ballroom Dancing by Victor Sylvester, revised in 2005
ルンバ
ルンバの音楽は2/4か4/4拍子で書かれますが、4/4と考えるのが実用的で、1小節に4拍、1、2、3、4とカウントします。
音の長さは次のようになります。
カウント(数) | 2 | 3 | 4-1 |
カウント(呼称) | Q | Q | S |
拍数 | 1 | 1 | 2 |
キューバン・ルンバでは、実際に足を動かすのは、カウント2、3、4で、1は横へのヒップ・アクションをコントロールして使います。
踊り始める際の一番良い方法は、両足を少し開いて立ち、左足(女子は右足)に体重をかけます。
カウント1でとても小さく右足を横にステップし、次にカウント2での左足前進からベーシック・ムーブメントに入ります---女子は男子と対照の動きをします。
この最初の1小節が踊れると、その後のリズムを保つことは難しいことではありません。
初心者はこの方法でスタートし、その後は2、3、4-1とカウントする代わりに、クイック、クイック、スローとカウントするほうが良いでしょう。
チャチャ
チャチャの音楽は一般的に4/4拍子ですが、時には2/4拍子でも演奏されます。
理想的なテンポは1分間に32小節ですが、しばしばそれより早く演奏されることがあります。
音の長さは次のようになります。
カウント(数) | 2 | 3 | 4 | & | 1 |
カウント(呼称) | ステップ | ステップ | チャ | チャ | チャ |
カウント(呼称) | S | S | Q | Q | S |
拍数 | 1 | 1 | 1/2 | 1/2 | 1 |
チャチャはキューバで生まれたルンバをベースとするダンスで、ルンバ同様、カウント2は前進、あるいは出ていく足になります。
踊り始める際の一番良い方法は、両足を少し開いて立ち、左足(女子は右足)に体重をかけます。
カウント1で右足をとても小さく横にステップし、次のカウント2での左足前進から、ステップ、ステップ、チャ・チャ・チャとカウントを取りながらベーシック・ムーブメントに入ります---女子は男子と対照の動きをします。
すべてのフィギュアでこのカウントの取り方ができます。
- 最終更新:2013-04-12 23:42:09