ラグタイム音楽

1900年代の初め、ワンステップや、ターキートロット、あるいは初期のフォックストロットなどのダンスは、当時大流行したラグタイムと呼ばれるスタイルの音楽に合わせて踊られました。そのラグタイム音楽についてです。


ラグタイム音楽の歴史


以下の記事は、日本ラグタイムクラブと言うサイトのラグタイムの解説という記事から引用したものです。
執筆者のラグタイムギタリスト、浜田 隆史さんにお礼を申し上げます。

ラグタイム


 ラグタイムは、19世紀末から20世紀初頭に掛けてアメリカで流行した音楽の名前である。黒人のダンスの伴奏音楽や、酒場で黒人が演奏したピアノ音楽が起源であり、白人の客に受けのいいマーチなどの西洋音楽に黒人独特のノリが加わり、シンコペーションを強調した初の軽音楽になった。演奏楽器は主にピアノで、その他にバンジョー、マンドリンや管楽器などの小編成バンドがラグタイムを奏でた。(当時は、ギターが大衆楽器としては普及していなかったので、ギターによる本格的クラシック・ラグ演奏は、1960年代まで待たねばならない)。

 形式的には、ほとんどがラグタイム・ワルツを除き2拍子で、3楽節以上の組曲形式(ソナタ・ロンド形式)をとり、中間部で属調または下属調に転調する。

ラグタイム時代(1897-1922)


 初めて出版されたラグタイム・ピアノの楽譜は、白人 William H. Krell の「MississippiRag」(1897)だが、スコット・ジョプリン Scott Joplin(1868-1917)がミズーリ州で出版したピアノ曲「MapleLeaf Rag」(1899)が決定的な大ヒットとなり、それがラグタイム黄金期(1899-1917)の始まりとなった。

 「Maple LeafRag」の成功を受けて、アメリカ全土で、有名、無名、男女、人種に関わらず、実に多くのピアニストがラグタイムを作曲した。ラグタイム時代の約20年間で約3000曲が出版されたという推定もある。ただし、経済的に裕福な白人がその主導権を握っていたようだ。元々西洋音楽が下敷きになっていることも大きく、ラグタイム人口は、現在に至るまで白人が圧倒的に多い。しかしその中でも、Tom Turpin, Scott Joplin, JamesScott, Artie Matthews, Arthur Marshall, Scott Hayden, Joe Jordan, EubieBlake などの有名な黒人ラグタイム作曲家は、総じて凡庸な山師的作曲家とは全く異なり、魅力的な音楽を残している。またもちろん、JosephF. Lamb, Charles L. Johnson, Charles Hunter, Henry Lodge, MayAufderheide などの優れた白人ラグタイマーも多かった。

 ラグタイムの流行は Scott Joplinの死(1917)以降は急速に衰え、より自由度の高い新しい音楽「ジャズ」にも人気を奪われ、もっとも有名なスターク出版社は、1922年でラグタイム楽譜の出版をやめる。楽譜を基準にしたクラシック・ラグタイムの伝統は一度ここで途切れ、Jelly Roll Morton や James P.Johnson などの優れたラグタイム・ピアニストたちは、ジャズに接近した別の流れを作っていく。


動物に関係したラグタイムミュージック(tama)


ラグタイムミュージックには、動物の名前をつけたもの、あるいは動物が印刷されている楽譜が数多く残されています。

下記のURLの楽譜はその一例です。


しかし、これだけいろいろな動物、中には鳥類、爬虫類、両生類、昆虫などがあるのを見ると、必ずしも、それらの動きに対応したダンスがすべて作られたとは思えませんね。

下記の数は、発行年のデータがあり、楽譜が表示されているものの数です。


種別  楽譜数
野獣 39
家畜 23
野鳥 20
ペット 16
昆虫 16
家禽 12
両生類 7
甲殻類 2
爬虫類 2
その他 1
貝 1
微生物 1
総計 140

  • 最終更新:2009-06-20 10:28:44

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