アップ (英語から理解するダンス用語)

ボールルームダンステクニックのチャートの、ライズ&フォールの項目に、アップと記載されていることがあります。


Upの英語の意味


アップつまりUPは英英辞書のUpの項の一番最初で、以下のように説明されています。

UP is often used with verbs of movement such as 'jump' and 'pull', and also in phrasal verbs such as 'give up' and 'wash up'.

つまりUPが一番良く使われるのは、動きを表す動詞と一緒に使う場合と、句動詞の一部として使う場合だと説明されています。

これらの2つの使い方と、ライズ&フォールのUPの使われ方は若干違いますが、UPの基本的な概念としてはまったく一緒です。

UPの基本的な概念は、高いところないし到達点(限界というニュアンスが強い場合もあり)です。

ですから、ジャンプアップは高いところまでジャンプするといった意味になりますし、ギブアップは限界まで与えるないし手放す(諦める)、ウォッシュアップは限界まで洗う(洗い上げる)となります。


ボールルームダンスにおけるUpの意味


ライズ&フォールのUPも、その概念は一緒ですが、最初に上げた2つの使い方とは違って動詞にくっついていませんので、動きを表すのではなくてそのステップの間は、UPの丸裸の概念の、「高いところないし到達点」を維持するといった意味になります。

ですからライズ&フォールでアップと指定されているステップでは、その前のステップのライズで到達した高さを維持する必要があります。

こ れが端的な違いとして現れているのが、ワルツの123-223の最初のステップ1でライズを始め2でライズ継続と書いているところと、フォックストロット の1234-2234の最初のステップ1では「1の終わりでライズ」、ステップ2では「アップ」と書いているところです。

これらを守らないと、ワルツらしいスイング感、フォックストロットらしいスイング感を台無しにしてしまいます。


補足


日本人に初めてイングリッシュスタイルのボールルームダンスを紹介した英国教師として知られているレオナード・スクリブナーが編集者となって、1957年 に出版された The Complete Ballroom Dancer という本を読んでいたら、アップと指定されているステップでは、実際のフットワークとして以下のような説明がされていました。

こういった説明を、ボールルームダンステクニックを出版した日本ボールルームダンス連盟がしていただけると日本人ダンサーとしてはありがたいのですが。

In the Natural Turn in the Foxtrot (man) the word "up" is used which signifies that the rise is taken to peak on the step referred to.
フォックストロットの男子ナチュラル・ターンのなかで、「UP」という言葉は、引用されているステップ上でライズがピークを保つということを強調するために使用されている。

Sometimes both words are used signifying that a gradual rise was made between a number of steps and then a further step taken which gives peak rise.
(注)この文章ではUPのさらなる使い方について説明していますが、全体の文脈を読んでから翻訳することにします。




  • 最終更新:2014-10-14 15:20:01

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